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基本なくして応用なし

 

6月に、県の理学療法士会の研修会の講師をすることになっているのですが、私がそこで強調したいことは、どんな分野でも「基本」をしっかりと固める必要性です。

 

私が理学療法士になりたての頃は、PNFなどの手技にばかり走っていました。

今思えば、どんな手技でも基本の上に成り立っているのに、その基本をかなりおろそかにしていたのだと思います。

手技をいかに上手くできるか、形を綺麗にできるか、ということにこだわっていて、手技を使うそもそもの基本である、“どういう患者さんに適用させるか”、“どういう問題に対してどう使うか”といった基本の考え方がかなりおろそかになっていた気がします。

反省です。

その後、心臓リハビリテーションを担当するようになってから、解剖学、生理学、運動生理学といった“基本”が本当に大切であるということを痛感しました。

心臓を勉強しているうちに、呼吸分野も勉強する必要性を感じて勉強し始めたのですが、その頃に“基本”はやはり間違いなく大切であるということを再確認しました。

基本がないと、臨床推論をする上での考え方の応用が効きません。

しっかりとした基本があるからこそ、さまざまな症状を呈する患者さんに応じて多様なアプローチを展開することができるのだと思います。

 

私が1年目の頃、当時の職場の上司であり大先輩の先生とご一緒に学会に参加する機会があったのですが、学会が終わった夜に2人で食事をしながら言われた言葉を今でも鮮明に憶えています。

それは、「やっぱり解剖学とか生理学とか運動学といった基本が一番大事だよ。私も今だから思うけど、若い時にもっと基本をしっかりと勉強しておけばよかったと本当に思うね。」という言葉です。

その時私は、まだ経験が浅かったため、その言葉の本当の意味をつかめず、そこまで重く受け止めていなかったのですが、今になってやっとその言葉の重さが分かりました。

どんな分野であれ、“基本”はしっかりと固めなければなりません。
基本なくして応用なしです。

今学生の方や、理学療法士として社会人になりたての方には、早いうちからこの“基本”の大切さに気付いて欲しいと思います。
私は気付くのが遅かったので、同じ過ちを犯さないためにこの事を伝えたいと思います。

 

最後に呼吸分野で私がオススメする“基本”を学べる本をいくつかご紹介しておきます。

■基本、絵や写真で構成されているため、とても読みやすく、初めの導入としてはかなりオススメの本です。しかもこのボリュームにしては安いと思います。

■呼吸療法認定士の基本テキスト。呼吸療法について幅広く網羅的に学べます。

■価格も安く、そのタイトル通り、呼吸分野の初学者の方にオススメです。

■内容はかなり難しいため、読むのに時間はかかりますが、呼吸と循環の生理学をしっかりと学ぶことができます。他の入門書を読んで、概要をつかんでから読んだ方が良いかもしれません。

■呼吸生理についてしっかりと学べます。図やグラフが多く、視覚的にも理解しやすい本です。

 

自炊のメリット・デメリット

 

本の「自炊」とは、自分が購入した書籍を、スキャナーを使用してデータ化することです。

自炊関連の書籍も多く出版されるようになりました。

ペーパーレス環境を実現してなるべくモノを増やしたくない人にとっては、快適な環境を構築できる時代になってきました。

私は現時点で、
医学書213冊
一般書97冊
合計310冊の書籍を自炊してMacBook Airに入れているのですが、

その中で見えてきたメリット・デメリットがあります。

最近でも、書籍によっては自炊するか、しないかを悩む場面が時々あるのですが、
総合的にみると、私にとってはやはり自炊のメリットの方が大きい気がします。

私が考える自炊のメリット・デメリットには以下のようなものがあります。

自炊のメリット

  • 書籍を持ち運ぶ時の物理的な重さから開放される。
  • 大量の書籍を持ち運べるため、いつでもどこでも常に多くの書籍を参照することができる。
  • スライドを作成する際に図のコピペがすぐにできる。
  • OCR(文字認識)処理した書籍であれば、書籍全文の文字列検索ができる(複数書籍をまたがる文字列検索も可能)。
  • 書籍を保管する場所(本棚)の物理的なスペースが必要ない。

 

自炊のデメリット

  • 読書の快適さは電子書籍リーダー(タブレット)の性能に左右される。
  • ページをランダムに高速で飛ばして読むこと(パラパラ読み)は難しい(現時点での技術では)。
  • 液晶画面は屋外の日差しが強い場所ではとても見にくい。
  • 電子書籍リーダーの電池が切れたら読めなくなる。
  • 手書きで気軽に書き込むことができない。(注釈機能を使えば手間はかかるが記入はできる)
  • 書籍の物体としての感覚を手がかりとした記憶は薄くなる(だいたいこのあたりのページにこういう内容が書いてあったな、など)。
  • 書籍の物体としての所有欲を満たすことはできない(装丁・手触り・重厚感、など)。

 

私は、普段持ち歩く荷物が結構多い(MacBook Air、iPad、Kindle、モバイルバッテリー、デジカメ、手帳、ノート、文房具、財布などなど)ため、できるだけ荷物の重量を少なくしたいということがあります。
これに加えて本を何冊も持ち歩けば、とてもじゃないけど体力が持ちません。
MacBook AirとiPadに書籍データを全て入れて持ち運べば、書籍がいくら増えていっても持ち歩く荷物の重量は全く変わらないため、これは私にとって大きなメリットになります。

また、読みたいと思った時にすぐに読める、調べたいと思った時にすぐに調べられる、という感覚は、モチベーションが高まった状態を逃したくないため、大事にしたいと思っています。
そういう点でも自炊のメリットは大きいと思います。

両方のメリットをできるだけ活かすハイブリッドな方法として、まずは自炊しない状態でマーカーや書き込みなどをしながら書籍を読んで、読み終わってから自炊をするという方法もあります。
ただし、自炊しない段階では持ち運びのデメリットがあるため、私のように「積ん読(何冊もの本を並行して読み進めること)」をする方にとっては、この方法でもデメリットが大きくなるのではないでしょうか。

こういった理由で、私としてはやはり自炊を選択しています。

【今日の1冊】ICUのための呼吸理学療法―早期離床を目指す理論と実践

 

 

ICUにおいて、超早期から呼吸理学療法を行うにあたっての注意点や、考え方から書かれており、有用です。

 

網羅的な内容で、これ1冊あれば早期からの呼吸理学療法に必要な知識を得ることができます。

 

私は呼吸療法認定士を取得して数年経過してからこの本を購入しましたが、知らなかった知識もあり、オススメの1冊です。