家に連れて帰った方がよくなる

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今日、患者様のご家族のお言葉にハッとさせられました。

「両手もしばられているし、ずっと寝かされているし、こんな状態ならば、家に連れて帰った方がよくなると思う。」

その患者様は88歳というご高齢ではありますが、これまで事業をされていたのでしょう、年金生活ではなく、ご自身の収入があるとのことでした。
年相応の軽度の認知症はありますが、受け答えははっきりとできますし、しっかりと意思を伝えることもできます。
ご自分で歩いてトイレに行くこともできるし、お風呂にも入れていた。
そのような方の、両手をしばり、寝かせきりにしている。
確かに、ご家族がこのように思われるのも当然かもしれません。

なぜこういうことになるのか?
病院としては、原疾患の治療を優先的に行うわけですが、その治療の過程で、原疾患の治療はできたが、廃用症候群が起きてしまった、という結果になることもあるわけです。
その廃用症候群を防ぐことが、私たちリハビリテーション職種の役割であると思うのですが、現状では、どうしても防ぐことができない面もあります。
マンパワーであったり、診療報酬上の単位数の制限であったり、といったことで、1人の患者さんにさける時間には限りがあります。
看護師も、多忙な業務の中、1人の患者につきっきりになるわけにはいかず、かといって責任もあるため、リスクが伴えばやむを得ず抑制をしてしまうこともあります。

このような現実に直面した時、非常に悔しい思いをします。
もっとマンパワーがあれば、診療報酬上の制限がなければ、この患者さんはもっと良くなるはずなのに。元の生活に戻れるはずなのに・・・。
分かってはいながら、それができない。
何とももどかしい気持ちです。

そういう思いがあるからこそ、このご家族からの言葉はとても重く心に響きます。

実際は、ずっと寝かせきりにしているわけではなく、毎日、午前と午後にリハビリテーションを行っているわけですが、それでも十分とは言えません。
入院前は、生活の中でもっと動かれていたはずです。
入院中に、元の生活での活動量にできるだけ近づけていく。
このことが大切だと思います。

ご家族からのお言葉を重く受け止め、
このようなもどかしい現実を打破すべく、模索していきたいと思います。

投稿者: 認定理学療法士 松田 浩昭

理学療法士17年目 リハビリ特化型デイサービスと訪問看護ステーションを経営 日々感じた事をアウトプットします。

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